私、パタンナーです。

「元」パタンナーの目線から服のことを書いています。

求められるものが違うのは商品の価格が違うから。

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私が新卒で入った会社で関わったブランドでは、ミセスの、そこそこ値段のする服を作っていました。

2社め、3社めもそう。

関西はとくにミセス向けの商品を作る会社が多い(多かった)ようですし、自分の強みでもあったので、似たようなターゲット、価格帯の商品を作る会社に入ったと言えます。

ところが4社め、今勤めている会社ですが、ここは違いました。

もちろん部署によって違うので、社内にミセス向けの服を作っているところもあるのですが、私が配属になった部署はそうではありませんでした。

量販店や通販の商品を作っている部署なので、それまでいた会社と比べると、取引先により違いますが、値段は五分の一程度か、もっと安いくらい。

今までと違うと思ったのは低価格の商品のため使用する素材が安い、とかそういうことだけではありませんでした。

価格帯が違うということは、商品を買ってくれる末端の消費者層が違う。お客様に求められるものが違うということだということに気がついたんです。

まあ、当然の話なんですけど、それまで同じような客層の商品ばかり作っていたので、気がつかなかったのですね。私、うっかりしてました。

以下はあくまで私の主観です。

 

高い服を買うお客さんは、イメージを買われるようです。こうなりたい、他人からこう見られたいなど…どちらかというと見栄え、素材の良さ、デザインを重視されるような気がします。

服に対して、素材を含めデザイン的にもパターン的にも完成度を求められる。パターンもデザインのうち、というようなかんじ。

でも安い服を買うお客さんはそうではありません。

服なんて着られたらいい、安くても機能性がなきゃ、(冬なら)安くて暖かいもの、(夏なら)安いけどサラッとした素材がいい、安いけど着やすいものがいい、安いからこそ洗濯機で洗いたい、安いけどかわいいものがいいわー、などなど要求が多い。

とくに通販などは着用して確かめることができないので、言葉で表せる付加価値、機能性に関して求められるものが多いと感じます。

先にも書きましたが、安いものこそクリーニングに出したくない、洗濯機洗いしたいという気持ちはとてもよくわかります。でもスーツとして使うような、かっちりしたテーラードのジャケットなのに家庭洗濯できると謳っているものなどは、アイロンどうするんだろ?と思います。ジャケットなんて、洗濯機で脱水して干して乾かしたら、アイロンかけないと着られないと思うのだけど。

家庭洗濯よりも素人がジャケットのアイロンかけるほうがよっぽど難しいと思うのです。クリーニングは「美しくアイロンがかかっていて、ハンガーにかけておいてくれるので、次着るときまでとくになにもしなくてよい」というのが料金に含まれていると私は思っています。

あと、やたらと冬物に「あったか」、夏物に「涼しい」。これもわかるんですけど、毎年グレードアップとか…できるのユニクロさんくらいじゃないかと思います。

ここでいうお客様とは、お店などのバイヤーや、販売員、町のブティックなど個人商店の社長さんなどから聞く「お客様」を差しています。

私たちパタンナーやデザイナーが直接店頭に立って接客することはまずありませんので、直接消費者である「お客様」から話を聞くことはできません。

服を作って売る側の私たちが、本当に消費者の心理を的確にとらえられるかどうかは、とても怪しいです。

売れるものを作り出すのはとても難しいですが、もっと安く、もっと機能性の高いもの、もっといいデザイン(と言いながらどこも同じデザインだったりする)を消費者が本当に求めているのかなあ、といつも思います。

私は一消費者としては、もっとバランスの良いものが欲しいと思っているので。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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